看護師の需要が増え続けていることから、看護師の採用競争は年々激化、難易度を増しています。しかし、看護師採用を進めるために行う施策を考えようと思いインターネットで調べても、「○○な施策5選」のようなありきたりな内容の記事しか検索結果に表示されない、最近流行のAIでも的を得た回答を得るのが難しいという状況になっています。その状況を改善し、業界全体、幅広い事業所さまに貢献できればと思い、100事業所以上の看護師採用に携わってきた経験をもとに、看護師採用で応募を増やすために使える61個の施策アイデアをまとめました。本記事は、一言一句に目を通していただくというよりは、辞書のような活用の仕方をしていただくことで、看護師採用を進めるにあたりどのような施策を行うべきかを検討する際の一助となればと幸いです。ぜひ最後までご覧ください。【忙しい人向けすぐに取り掛かれる施策TOP3】1.求人の改善求人は多くの人が見るのでまず最初に改善を行い魅力的な内容にしましょう。そうすることで見た人の応募意欲を高めることができます。また一度作りこめば媒体掲載をする時もスムーズです。2.indeedへの求人掲載indeedは月間利用者数がとても多いので、認知を広げるために有効な手段です。審査に時間もかかるので、改善した求人を掲載申請し早めに取り掛かりましょう。3.応募ボタン・フォームの配置見直し応募ボタンの配置やフォーム配置は比較的簡単に編集が可能です。応募者の目線でどこにあるとわかりやすいか考え配置しましょう。WELLNOVAでは「看護師採用を改善したい」「人材紹介や有料求人媒体を減らして採用コストを抑えたい」事業所さまに、看護師採用の現状分析、採用戦略立案、実行・改善までを一気通貫でご支援しています。看護師採用に関するお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。→サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちらまずは、61個の施策を紹介していく前に、施策を見ていただく前にお伝えしておきたい採用活動に関して意識すべき点が2つあります。まずは、それらを簡単に説明します。〇看護師採用の全体像を意識する重要性看護師採用で最初に意識すべきことは、「求職者は、どのような流れで応募してくれるのか」という全体像です。これを意識せずに採用活動を進めても、偶然採用ができることは合っても、再現性のある安定的な採用活動は行えません。採用活動が上手くいっていないほとんどのケースでは、この全体像を意識せずに、どの施策を行うか否かに意識が向きがちです。一貫性の無い単発の施策を行うギャンブルのような採用活動を行う形になっています。では、求職者はどのような流れで応募するのか、そして、今回の施策のカテゴライズを以下に簡単に図示してみました。よくあるマーケティング理論の購買行動モデルのような流れですが、実際に求職者が応募するまでの流れは、多少の個人差はあれど、ほとんどはこのような流れを辿ります。これらの全体像を意識しながら、採用活動の実行と改善を繰り返していくだけで、十分に効果のある採用活動を行うことが可能になります。安定的な採用活動が可能になると、事業所の経営状況・職場環境の改善、従業員の給料や待遇の向上から離職防止にも繋がっていきます。施策アイデアを読んでいただく前に、全体像と合わせて、もう一つ意識してもらいたいことを説明します。〇施策の成否を決める採用戦略におけるターゲットの重要性全体像と合わせて意識してもらいたいことは、採用戦略です。効果的な採用戦略を立てるには、数多くのポイントを意識、調査、分析する必要があります。この後の施策アイデアを読んでいただく前に、採用ターゲットを明確にすることの重要性について簡単にお伝えしたいと思います。全体像を意識し、これから読んでいただく61個の中の施策を選んで実行していただいても、上手くいかないケースが発生します。その原因は、採用ターゲットが不明瞭なことです。どんなに優れた求人を考えても、どんなに高額の給与や魅力的だと思える手当を設定したとしても、それが採用したいと考えている人物像=採用ターゲットの状況や願望、欲求と合致していなければ、応募してもらうことは難しいでしょう。また、採用ターゲットが不明瞭なままだと、上手くそれらの魅力的な求人を届けることすら叶わないこともあります。なぜそのようなことが起こるかといえば、性別、年齢層、地域、趣味嗜好によって、情報を取得する場所や方法、魅力的に感じるポイントが違うからです。20代で経験は浅いが積極的に仕事をしてくれそうな看護師を雇いたいと考えた際に、新聞に求人を掲載してもあまり効果がありません。また、50代の経験豊富な看護師を雇いたいと考えた場合に、「20~30代が主に活躍中の元気な職場」という内容をSNSで発信しても、年齢層のギャップから魅力的に感じてもらいにくいと思います。看護師採用を成功させるためには、採用ターゲットに合わせたメッセージを、採用ターゲットが見ている媒体で発信することが重要ということになります。前述のように、採用ターゲットが不明瞭だとこれらのことが上手く最適化できません。そのため、まずは採用ターゲットを明確にすることが重要になります。前談が少し長くなりましたが、ここまでに説明した「全体像を意識する」「採用ターゲットを明確にする」という二つを大前提としてご理解いただいたうえで、ここからの施策一覧をご覧いただけるとより本記事を上手く活用していただけると思います。①事業所/求人の認知拡大施策26個応募を獲得するためには、まず事業所や求人を広く認知してもらう必要があります。まず、この章では事業所、求人の認知を広げるための施策26個紹介いたします。■求人出稿求人は作成し見てもらわなければ応募に繋がりません。ここでは各媒体に求人出稿を行い認知を拡大する施策をご紹介いたします。※参考記事:看護師採用におすすめの無料サービス4選!【1】ハローワークハローワークは、公共職業安定所(Public Employment Security Office)の通称です。求職者が適職に就き、雇用主が適切な人材を採用できるよう、雇用情報の提供や職業紹介、求職者と雇用主のマッチング支援、労働市場の情報提供など、さまざまな就職・雇用に関するサービスを提供しています。看護師はハローワークを活用して、自身の希望やスキルに合った求人を見つけることができ、事業所もハローワークを通じて求人情報を発信し、求職者への認知を拡大を行うことができます。ハローワークは地方での採用活動において、まだまだ強い力を持っているため、エリアにもよりますが、出稿しておいて損はありません。特に50代~60代の看護師には、根強い人気があります。【2】ナースセンターナースセンターは各都道府県看護協会が運営する無料の求人媒体です。ハローワークと似たような形で求人の紹介も行っており、簡単に言うと看護師専門のハローワークになります。令和4年東京都ナースプラザのデータでは、40代以降の利用者が多い状況と報告されているため、採用ターゲットが20代~30代になる場合は、少し媒体としては適切でない印象です。しかし、無料で利用できる点、看護師のみに絞れる点はとても有用です。クリニック、行政、デイサービスと比較的人気の強い事業所形態以外にも、訪問看護や病院に興味を持っている人も一定数いるようなので、そういった事業所形態を運営されている方は、求人を掲載するメリットはあるかと思います。【3】新聞求人広告を新聞に掲載することで、読者に対して広く求人情報を発信することができます。全国紙であれば全国的、地域紙であれば特定地域で広く読まれているため、幅広い求職者へのアプローチが期待できます。新聞はテレビやインターネットなどのデジタルメディアの普及により影響を受けていますが、いまだ多くの人々にとって重要な情報源であり、特に年配の世代や地域においては依然として広く利用されています。採用活動においては、新聞の特性や読者層を考慮しながら、効果的な広告や記事の掲載を行うことが重要です。新聞を習慣的にチェックする主に40代以降の層を狙う際には、有効になり得るでしょう。【4】求人雑誌、フリーペーパー求人情報誌とは、企業が求職者に対して自社の求人情報や採用情報を提供するために発行される印刷物です。一般的には、週刊、月刊、などの定期刊行物として発行され、書店、コンビニエンスストアなどに置かれています。求人情報誌は、求職者が多くの企業の求人情報を一つの媒体で一括して確認することができる手段として利用されます。フリーペーパーは無料で配布される印刷物であり、一般的に地域や特定のテーマに関連した情報を提供します。求人情報誌やフリーペーパーは、求職者にとっては多くの求人情報を収集する手段として利用される一方、企業にとっては求職者への認知拡大に活用されます。これらの印刷物では、求人広告や採用情報、企業の特集記事などを掲載することで、求職者に自社の魅力や求人ポジションを訴求します。ただ若い方を中心に、フリーペーパーなどを見る文化が薄れているので、ターゲットによって選択肢を変えることが重要です。【5】業界紙、雑誌業界紙や雑誌は、特定の業界や専門分野に関連した情報を提供する印刷物です。一般的には、業界の最新の動向、企業の活動や成果、専門家のインタビューなど、業界に関する幅広い情報を提供、共有し、情報の収集や知識の向上に役立つ手段として利用されます。特定の業界や専門分野に関心を持つ読者が集まるため、読者がターゲットに合致する場合効果的にアプローチすることができます。しっかりと採用ターゲットのペルソナを考え、業界紙を見るような層がターゲットになるか、検討してみてください。【6】WEB求人媒体(検索エンジン型)検索エンジン型の求人媒体は求職者と雇用主をつなぐプラットフォームとして、幅広い業種や地域の求人情報を提供しています。代表例としてはIndeedや求人ボックスがあり、これらに求人を出稿することで、転職活動をしている看護師に事業所や求人の認知を広げることができます。Indeedや求人ボックスは数多くの求人情報を一括して検索できるため、求職者にとって効率的な求人情報収集の手段となっており、企業側にとっても媒体を活用して求人情報を発信し、多くの求職者に認知を広げることができるようになっています。indeedや求人ボックスが他のWEB求人媒体と違っている点は、これらが検索エンジンということです。イメージとしては求人版のGoogleが近くなります。そのため、Googleと同じように広告費を払えば上位に表示されます。またSEOの概念があるため、求人の投稿内容によって表示順位が変わります。求人を多くの媒体に出し、indeedや求人ボックスでも出稿することで、認知拡大や応募数増加が見込めるでしょう。【7】WEB求人媒体(業界特化型)業界特化型の求人媒体も事業所や求人の認知拡大に有効です。看護師採用でよく活用されているものとしては、ジョブメドレーやコメディカルドットコムが挙げられます。検索エンジン型は営業や事務など幅広い職種の方が利用しているのに対して、業界特化型はその業界で働く人が利用するので、ターゲットをより絞って求人を出すことが可能です。検索エンジン型と業界特化型、双方に求人を出稿することで、抜けもれなく認知拡大が狙えます。業界特化型は採用が決まった際に費用が発生することが多く、検索エンジン型は広告を出す際に費用が発生することが多いです。そのため採用予算に応じてどちらを主軸に運用するか決めておくと、効率よく採用活動を行えます。■SNS運用認知拡大においてSNSはとても効果的ですが、事業所や求人の認知が看護師の間に広がるためには、中長期的に運用が必要となります。短期で成果を出す施策というより、地道に続けてゆくゆくの採用力強化につなげる施策になります。【8】Twitterインターネット上で利用できるSNSで、リアルタイムの情報共有やコミュニケーションを促進するために開発されたものです。Twitterを活用した従業員の声や日常のエピソード、働き方や社内イベントなどに関するツイートを通じて、企業の”動き”をリアルタイムに発信することができます。それだけでなく、現在スカウト採用の一貫として使っている事業所もあります。また、Twitterは対話を重視したプラットフォームであるため、採用に関連するツイートを通して、求職者からの質問やコメントなどのやり取りを促進し、関心を持つ人との相互のコミュニケーションを深めることができます。例としては、湘南美容外科クリニックさんがTwitterを活用し、幅広い質問に回答し採用ブランディングを行っています。【9】Instagram写真や動画を共有するためのプラットフォームであり、ユーザーは自身のアカウントを作成し、写真や短い動画を投稿し、他のユーザーとのつながりを築くことができます。魅力的な写真やビデオコンテンツを投稿し、働く人のリアルやカルチャー、仕事の魅力を視覚的に伝えることができます。また、日々の業務や社員の活動、イベントの裏側などをストーリー形式で共有することで、求職者に事業所の魅力を伝えることができます。フィード投稿やストーリーズを活用して、イベントの詳細やキャンペーンの宣伝を促進することもできるので、認知から興味づけまで幅広く対応が可能です。ただ、綺麗な投稿を作り続けるのは、時間と労力がかかることが難点です。【10】FacebookTwitter同様、インターネット上で利用できるSNSで、個人や企業がプロフィールを作成し、友達やフォロワーとつながることができるプラットフォームです。Facebookを活用した企業の公式ページや投稿を通じて、事業所内で起きた嬉しいことや、イベントなどを紹介することで、求職者は事業所の雰囲気や価値観について知ることができます。また、グループ機能を活用することで特定の業界や職種に関連するコミュニティを形成することができます。転職活動を検討している看護師が参加できるコミュニティを作り、採用情報やキャリアに関するアドバイスの提供など、グループ内での相互のコミュニケーションや情報共有を活発に行うことができます。【11】TikTokショートムービーの作成、共有、視聴ができるソーシャルメディアプラットフォームです。ユーザーは15秒から60秒までの短い動画を作成し、音楽やエフェクトを追加してクリエイティブなコンテンツを制作することができます。短編動画を通じて求職者に仕事の魅力や楽しさ、オフィスや職場の雰囲気を視覚的に伝えることで、求職者に認知してもらい、かつ興味を持ってもらうことができます。実際にTikTokを活用して採用活動を進めている法人もあるので、若い層をターゲットにする場合、選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。【12】SEO、ローカルSEO、MEO対策SEO(Search Engine Optimization)は、ウェブサイトやコンテンツを最適化して、検索エンジン(例:Google)の検索結果で上位に表示されるようにする取り組みです。ローカルSEOとは特定の地域を含んだ検索(ローカル検索)において上位に表示されるように最適化を行うこと、MEOとは、Map Engine Optimizationの略語で、マップエンジン最適化を指します。採用活動においてこれらを活用することで、事業所の求人情報や採用ページがより多くの看護師に見つけてもらえるようになります。看護師が検索するであろうキーワードやフレーズを把握し、それらのキーワードをウェブサイトのコンテンツやメタデータ(ページの説明文やタグなど)に適切に使用することで、検索エンジンがウェブサイトを関連性の高いコンテンツとして評価し、上位表示される可能性が高まります。特に検索結果の1ページ目に表示されるようになれば、かなりの認知拡大が見込めます。上手に活用することで継続的な効果やブランド認知の向上、競合との差別化につなげることができるでしょう。※参考記事:直接応募が増えるかも!?ローカルSEO・MEOの基本を解説■コネクション活用コネクションを活用した採用活動は費用もかからず、工数も削減できるためおすすめです。この章では事業所内外のコネクションを活用して認知拡大を図る施策を紹介します。【13】リファラルリファラル採用は既存の従業員が自身の知人や関係者を推薦し、採用につなげる方法です。社員が自身のネットワークを通じて候補者を紹介し、その紹介による採用を行うことで人材の獲得を目指します。リファラル採用は、社員が推薦する候補者に対して既に信頼関係があるため、選考プロセスがスムーズに進むことがあります。また、紹介者からの情報やフィードバックを活用することで、より迅速かつ的確な採用判断ができます。リファラル施策成功のためには従業員の協力が不可欠です。リファラル採用の存在や報酬制度、事業所の魅力などを積極的に共有し、従業員が自ら関わりたいと思える環境を整えましょう。【14】アルムナイ採用アルムナイ採用は過去に事業所で働いていた看護師を再度採用する方法です。退職した看護師との継続的なコミュニケーションや交流を促進し、看護師自身が事業所の最新情報や採用情報を得られるような状況を整えることが重要です。また継続的なコミュニケーションを行うことで、戻ってくるのが気まずいといった感情を抑えることができます。再雇用時のスキルや経験を改めて評価し、現在のニーズに合致する場合には積極的に採用に関心を持つようなアプローチを行いましょう。また、再度働いた際のキャリアパスやキャリア形成に関する情報の提供も重要になってきます。転職先で上手くいっているケースであれば無理に誘う必要は無く、転職先で改めて悩んでいる時にはとても効果的な手法になります。アルムナイの場合には、いちから教育する必要がなく、また退職後培ってきた経験も活かしてもらうこともできるので、費用対効果が高い施策となりえます。【15】自社以外からのリファラル通常のリファラル採用は既存の従業員からの紹介ですが、自社以外のリファラルを創出することも可能です。例えば、普段つながりのある事業所の従業員や代表に紹介してもらうなどです。こんな募集を出しているんだけど、興味持ちそうな人はいないか?など話してみて、実際に該当者がいれば繋がる機会をつくってもらうという手法になります。リファラル採用と同様に紹介者から情報がもらえること、また費用がかからない点は優れています。紹介者・被紹介者双方の信頼関係が大切になるため、紹介を受けたらしっかり相手方の採用にも協力することが大切になります。■WEB広告WEB広告は費用がかかりますが、SNS運用などと比べて比較的早く成果が見込めます。ここではGoogleやSNS、求人媒体のWEB広告を活用した認知拡大施策をご紹介します。【16】リスティング広告 リスティング広告は、インターネット上の検索エンジンやウェブサイトで表示される広告形式の一つです。主な特徴は、特定のキーワードに関連する検索結果の一部として表示されることです。一般的に、リスティング広告は検索エンジンの検索結果ページの上部に表示されます。これらの広告は通常、テキスト形式で表示され、タイトル、説明文、URL、などから構成されます。例えば看護師が【東京 病院 求人】のような特定のキーワードやフレーズで検索を行うと、関連する広告が表示される仕組みです。この広告を活用して、求人や事業所をPRすることが可能です。有料施策となるため費用はかかりますが、ワードを限定することができるので、仕事を探している人にターゲットを絞り求人を表示することができ、採用ターゲットにダイレクトで認知拡大が狙えます。しかし人材紹介会社も人気キーワードには多くの広告費をかけているので、費用が多くなりすぎないように注意が必要です。【17】ディスプレイ広告 ディスプレイ広告は、インターネット上のウェブサイトやモバイルアプリなどのデジタルメディア上で表示される広告です。テキストだけでなく画像や動画、バナーなども広告として表示できます。こちらはリスティング広告とは違い、検索結果に対して表示するものではなく、サイトやアプリ上に表示されます。ディスプレイ広告ではユーザーの行動をもとにターゲットにアプローチすることが可能なので、看護師求人をよく見ている人に広告を表示するということも可能です。リスティング広告よりも画像や動画など視覚的に優れたものを表示できることが強みなので、求人用画像やバナーなどを作成し広告を活用すれば効率的に認知拡大を行えます。【18】Facebook広告 Facebook広告は、Facebookプラットフォーム上で配信される広告です。Facebookを活用している人に広告を表示することが可能であり、特に30代~40代がターゲットとなります。Facebook広告もターゲティングが可能で、特定のユーザーに表示することができます。年齢、性別、地理的位置、興味関心、行動などの要素を組み合わせて、広告のターゲットを設定することができます。【19】Twitter広告 Twitter広告は、Twitterプラットフォーム上での広告です。Facebook広告同様、ユーザーに対して広告表示が可能で、利用者層は10代~20代が多く、Facebookよりも若年層向けになります。そのため、20代が採用ターゲットだった場合、広告表示の選択肢として検討するのが良いと思います。Facebook広告と同様、ターゲティングが可能であり、分析もできるため、ターゲットの属性によって利用するか決めると良いでしょう。【20】Instagram広告 Instagram広告は、Instagramプラットフォーム上で配信される広告です。InstagramはFacebookやTwitterとは異なり、視覚的な情報が多く表示されています。また年齢層はTwitterと似ており、10代~20代となっており、感覚的にはInstagramの方が若い年齢層の方が積極的に活用していると思われます。【21】求人媒体広告 求人媒体への広告掲載というのは、前述のIndeedや求人ボックスに広告費を払い、求人を上位表示してもらうという手法です。リスティング広告に似ていますが、Indeedや求人ボックスは仕事を探している人が見るサイトなので、より転職活動中の看護師に直接アプローチが可能です。しかし応募に繋がらずとも費用がかかってしまうので、応募に繋がるように求人の中身も改善が必要となってきます。【22】外部メディアへの広告出稿 外部のメディアに求人の広告を出稿することも、認知拡大の助けになります。業界特化型であれば、ある程度そのメディアを見る人を絞ることができ、適切にターゲットに届けることができます。広告出稿の際には、どのような層が利用しているか確認し、採用ターゲットと合致すれば活用するという形で利用するのが良いと思います。採用ターゲットと合っていないメディアに出稿しても、中々採用したい層からの応募が来ないケースが考えられます。しっかりと採用ターゲットが利用しているメディアに広告を打てるようリサーチしましょう。■ダイレクトマーケティング求職者となる層に対して直接的にアプローチを行い、事業所や求人の認知拡大を狙う施策です。主に地域の飲食店などが使う施策ですが、採用にも活用が可能です。【23】ポスティングチラシやパンフレットをポスト投函する施策です。始める前には目的とターゲット像、配布先を明確に定めることが重要です。例えば、特定の業務に興味のある看護師や、特定の地域に住んでいる看護師を対象にするなど、具体的なターゲットを設定しましょう。また、事業所に興味を持ってもらうためにもデザインやレイアウトは魅力的で分かりやすいものである必要があります。事業所の特徴や教育体制、福利厚生、成長やキャリアパスの機会など訴求ポイントを強調し、読み手が興味をもってくれるような内容にしましょう。ただ、配るだけではなく、配布後は効果を測定し、反応や応募数を把握することも重要です。特定の電話番号やURLを掲載して応募者の分析を行ったり、アンケートを配布してフィードバックを収集したりすることで、配布の効果を把握し改善点を見つけることができます。■人材紹介人材紹介を活用した認知拡大施策をご紹介します。※参考記事:人材紹介って実際どうなの?? 医療・介護業界人材紹介について徹底解説!【24】登録型登録型人材紹介とは、求職者が人材紹介会社に自身の情報や希望条件を登録し、その情報を基に企業への就職・転職の支援を受けるサービスのことです。人材紹介の成功には、信頼できる人材紹介会社、もしくは担当を選ぶことがとても重要です。求職者や事業所のニーズ、業界に精通している会社を選び、実績や評判を確認しましょう。信頼性のある会社との関係を築くことで、優秀な人材の紹介が期待できます。人材紹介会社との連携を通じて、提案される人材はある程度スクリーニングされているため、すべての応募者に会わずとも、採用ターゲットに近い人材と接点を持つことが可能となります。※参考記事:人材紹介の上手な活用方法について【25】アウトプレースメントアウトプレースメント型人材紹介は、事業所が閉設や組織再編などの理由で雇用を終了させる従業員を、外部の人材紹介会社を通じて再就職先を見つける支援をする手法です。直近まで看護師として勤務していたため、事業所にとって有益なスキルや知識を持つ看護師を採用することができます。また、閉設などお困難な状況を乗り越え、自己成長や対人関係のスキルを磨いてきた可能性があります。採用において、リーダーシップや協調性を重視し、チームの一員として活躍できる候補者を選ぶことが期待できます。次の就業先に困っている方が多いため、就業意欲も高く入職確度も高くなるでしょう。【26】スカウトスカウト採用は採用したい人材を企業側が積極的に探し出し、直接アプローチして採用する手法です。スカウト採用では、特定の職種や業界、経験、スキルセットなど、明確なターゲットを設定することが重要です。欲しい人材の特徴を明確にし、それに基づいてスカウトの対象を選定しましょう。また、スカウトは一対一のアプローチであるため、個別の人材に対してメッセージを工夫する必要があります。看護師の経歴や実績を調査し、ペルソナに合わせた興味・関心を引く、魅力的なメッセージを送ることが重要になってきます。くわえて、長期的な関係構築を目指すことも重要になってきます。候補者となる看護師との信頼関係を築き、将来的に採用枠が生まれた際にも連絡を取り合えるような関係性を構築しましょう。スカウトが可能なサービスを活用する、またSNSなどで周辺にお住まいの看護師に連絡をとることも選択肢の一つとなります。②応募意欲の醸成施策24個応募を獲得するためには、広く認知されるだけでなく、魅力に感じてもらう必要があります。この章では事業所、求人をより魅力的に発信し、応募に繋げるための施策を26個紹介いたします。【27】求人票の改善求人票は看護師が応募を決める際に、ほぼすべての看護師が確認します。そのため求人票は応募に繋がる大切な情報であり、もし求人票の情報が古い情報のままであったり、最低限の情報しか記載していないと、応募意欲を高めることに繋がりづらくなってしまいます。しっかりと採用ターゲットや訴求ポイントを設計し、採用したい人がどんな悩みをもっていて、どんな言葉に興味をもつのか考え、求人に記載しましょう。また一度作成、掲載を行ったら終わりというわけではなく、定期的に情報の更新や内容の改善を行いましょう。求人媒体によっては求人票の改善が行われると上位に表示されるものもあるので、最新の状態を保ち、応募につながるような求人を掲載できるようにすることをおすすめいたします。※参考記事:医療・介護業界向け! 魅力的な求人の書き方について※参考記事:看護師・介護士は求人のどこを見ている?今すぐ取り組める求人の改善ポイント解説!■事業所サイト/採用ページの制作・改善求職者が求人に応募をする際に、9割が事業所サイトを調べ、閲覧するといわれています。ネット検索、スマホ利用が当たり前である現代の採用活動の中心的存在となる事業所サイト/採用ページの改善を行うことで、応募意欲の醸成を促進することができるようになります。※参考記事:医療・介護事業者がホームページを持つべき、たった1つの理由とは?【28】デザインの一新・情報の更新事業所サイトや採用ページが古いものだったり、全体的に表示が崩れているなど状態が最新ではない場合、応募を戸惑ってしまったり、信頼感をもってもらうことが難しくなる可能性があります。結果的にしっかりとしたサイトを持った競合と比較され、応募に至らないケースもあります。そのため、事業所のWEB上の看板と捉え事業所サイトを最新の状態にしましょう。もし持っていない場合は自社で制作を行う、もしくはサイト制作を手掛ける会社に依頼をしましょう。【29】キービジュアルの改善 キービジュアルとは、事業所サイトや採用サイトのようなコンテンツのトップに使われている画像で、メインビジュアルとも言われます。サイトを開いた瞬間に出てくる画像なので、それ一つで印象がかなり違ってきます。例えば、事業所の雰囲気にそぐわないものだとイメージを損ねてしまい、逆に事業所の雰囲気が分かるものや目をひくものをキービジュアルに設定した場合は魅力付けにつながります。キービジュアルの改善の際には、誰に、何を、どのように伝えるのか設計を行い、改善を図りましょう。【30】キャッチコピーの改善 キャッチコピーは事業所の理念や採用メッセージを一言や短い文章で表したものになります。キャッチコピーは事業所のブランディングだけでなく採用のブランディングにも活用ができます。介護事業大手のベネッセスタイルケアさんでは、【その方らしさに、深く寄り添う】というキャッチコピーをブランディングに活用しています。温かみのある言葉「寄り添う」というを大切にしたい価値観をしっかりとキャッチコピーにすることで、共感を生み魅力付けをすることができます。キャッチコピーはそれ単体で大きな効果を発揮するものではありませんが、採用ページや求人に記載することで、求職者の目を引くことができます。【31】経営者、管理者からのメッセージの追加経営者や管理者がどんな人なのか、というのは働く人にとってとても大切な要素です。その人たちの考えが今後の事業所を決めることになるので、そこに共感できるか否かが決め手にもなりえます。しかしそもそも考えや方向性が分からない事業所も多く、中々入職に踏み込めないという看護師もいます。そのため今後の方向性や価値観に共感を集め、事業所を理解した人が入職してくれるようメッセージを追加しましょう。看護師がそのメッセージに共感し応募に至るケースは多く、素敵なマネジメント層がいる事業所というブランディングができれば、多くの応募を獲得することができます。【32】従業員が語る事業所の魅力の追加経営者や管理者のみならず、実際に働いている現場の看護師の情報発信も重要です。入職後に一番長く接するのが現場の方になるため、どのような方が働いているか、中からみたらどのような魅力が事業所にあるのか、そういった情報は求職者の安心を生み出すとともに、応募してみたいという気持ちを高めることに繋がります。ホワイトカラーの企業では積極的に従業員の記事を作成しており、個別にSNSを運用している企業もあります。求職者からすればどのような人が働いているのか分からない事業所よりも、わかる事業所に興味を持ちやすいため、積極的に従業員インタビューなどを発信しましょう。【33】働くスケジュール例の追加働くスケジュールは特に働きやすさを重視する、子育て世代や若い世代への魅力づけに有効です。実際に現場で働く方の一日を紹介することで、残業への不安をなくし、安心して入職していただけるイメージをもってもらえます。もちろん面接でも説明はあると思いますが、事前に情報がある事業所には足を運びやすいので、魅力づけの施策として有効です。【34】キャリアステップイメージの追加キャリアステップイメージは、看護師としてこれからの看護師キャリアを主体的に進んでいきたいという方にとって、とても参考になる情報です。例えば現職でキャリアアップが望めないことに悩んでいる看護師は、次の転職先ではキャリアステップを気にするでしょう。事業所起点でキャリアステップを発信していれば、とても安心すると思います。また入職後だいたい何年くらいで、どこまでいけるのか目安を記載すると、さらにイメージが湧きやすくなり、興味を惹ければ応募に繋がる可能性が高まります。【35】事業所データの掲載事業所データの掲載とは、主に従業員の年齢層や性別、勤続年数などをデータ化し、事業所ページや採用ページに載せることを指します。そんなことが意味あるの?と思われるかもしれませんが、前述の通り、中が見えない事業所よりもしっかりと発信している事業所の方が、多くの応募を集めることができます。それは看護師目線で欲しい情報を的確に発信できているからなのです。事業所データは、年齢層にギャップが無いか、長く働いている人は多いのか、といった疑問に応えることができます。小さい事業所でもデータを採り、掲載することをおすすめいたします。【36】採用特設サイトの開設企業が採用活動に特化したウェブサイトを作成し、求職者に対して企業の魅力や求人情報を発信するためのプラットフォームです。企業のビジョン・ミッション、社風・働き方、福利厚生、研修プログラムなど、採用に関連する情報を掲載することで、求職者に対して魅力的な職場環境をアピールすることができます。採用特設サイトは、企業の採用活動を支援し、求職者との接点を作る重要なツールです。企業の魅力や求人情報を正確かつ魅力的に伝えることで、企業の求める人材の確保が期待できます。採用特設サイトは採用活動において重要な役割を担います。求人を見た人、SNSを見た人が興味をもった場合、ほぼ確実に採用サイトを閲覧します。そのため採用活動の中心となるサイトは質の良いものを作成しましょう。サイト制作会社に依頼する、知識のある人に相談してみると良いと思います。■会社の雰囲気を発信するメディアや動画、スライドを使って事業所の情報を発信する施策についてご紹介いたします。【37】noteプラットフォーム型のウェブサービスであり、個人や企業が記事やブログを投稿・公開することができます。noteでは、さまざまなジャンルの記事が投稿され、読者はそれらの記事を閲覧することができます。noteを活用して、従業員のインタビューや日常のエピソード、事業所のリアルや働き方に関する記事を投稿し、魅力や大切にしている価値観などを伝えることができます。これにより、求職者は理解を深めることが可能です。また、採用に関する情報やイベント詳細、アドバイスなどを記載することで、求職者に対して価値を提供することができます。noteは、個人や企業が自身の知識や経験を発信し、他の人々と情報を共有するためのプラットフォームとして幅広く活用されています。現役の看護師や介護士、訪問看護管理者など実際に記事を投稿しています。無料で活用が可能なので始めやすいのも利点の一つです。【38】事業所紹介動画の制作紹介動画を作成することで、事業所の魅力や特徴を映像と音声で伝えることができます。採用活動においては、看護師に対して事業所の理念や働き方、社員の声などを具体的に伝えるために活用されます。事業所の変遷やこれまでの運営過程などをストーリー仕立てに描くことやメッセージの明確化、社員インタビューなどを取り入れると、より看護師からの興味・関心を得ることができるでしょう。実際に動画を作成して採用サイトに掲載している事業所も増えてきているので、これからさらに活用が進むと思われます。【39】事業所紹介スライドの作成、掲載事業所の特徴や価値観、雰囲気、働く看護師の声、採用情報などを視覚的にまとめたプレゼンテーションスライドです。採用活動においては、求職者に対して企業の魅力や魅力的な職場環境を伝えるために活用されます。採用イベントや説明会などの場で、スライドを通じて、看護師に対して企業の特徴や強み、働き方、キャリアパスなどを視覚的に伝えることで、興味を引きつけることができます。また、紹介スライドを採用ウェブサイトや企業の公式SNSアカウントで公開し、自由に閲覧できるようにすることで、求職者の応募意欲を高めることが期待でき、また認知拡大にも一役買ってくれるでしょう。【40】youtube動画のアップロード、視聴、共有ができるプラットフォームです。ユーザーは自身のアカウントを作成し、さまざまなテーマやジャンルの動画を投稿したり、他のユーザーがアップロードした動画を視聴したりすることができます。企業はYouTube上で専用のチャンネルを作成し、採用情報や求人情報、企業の魅力や文化を動画コンテンツとして提供することで、求職者に企業の価値観や仕事の魅力を伝えることができます。また、採用イベントやキャリアフェアなどの重要なイベントをYouTubeでライブストリーミングすることで、リアルタイムで求職者との接触を図ることができます。ライブチャットやコメント機能を活用して、求職者からの質問に対応し、直接コミュニケーションを取ることができます。一般企業ではかなり活用が進んでおり、医療・介護業界でも病院内をドローン撮影し見学に赴かなくても雰囲気が分かるようにするなど幅広い活用がなされております。【41】オウンドメディア事業所が事業所の雰囲気やスタッフのインタビュー情報などを自身で制作・発信するメディアのことを指します。サイトやブログ、SNSアカウント、メールマガジンなどがその一例です。オウンドメディアを通じて、事業所のイメージを形成・強化することで、事業所としてのビジョンや価値観、魅力を発信し、看護師に情報を伝えることで認知を広げる役割を担ってくれます。いちからの構築を考えるとかなり負担なのでnoteやSNSを活用して発信し始めるのが良いでしょう。■イベントイベントを通じて看護師に事業所の魅力を伝える施策をご紹介します。【42】就業型インターン就業型インターンシップは、学生や新卒者が実際の業務環境で一定期間働きながら、職場の実践的な経験やスキルを習得するインターンシップの形態です。参加者が実際の業務に携わり、職場でのスキルや知識を身につける機会を提供することで、参加者の興味を引きつけることができます。また、参加者が取り組んだプロジェクトや業務での成果を具体的に紹介することで、他の求職者にも参加の魅力を伝えることができます。セミナー型インターン同様に、インターンを通じて出会った参加者とつながることができるため、上手に活用することで優秀な看護師の発掘に期待することができます。【43】セミナー型インターンセミナー型インターンシップは、学生や新卒者が病院や施設で行われるセミナー形式のプログラムに参加することで、実践的な学びや業界知識の習得、事業所との交流を行うインターンシップの形態です。講義やセミナーに参加するだけでなく、実際の業務やプロジェクトに参加する機会もあるため、参加者はインターンを通じて看護師としての学びを深めることができます。各事業所はインターン参加者の成果をPRすることや、インターンを通じて出会った参加者とつながることができます。繋がりがある法人とそうでない法人、どちらの方が選ばれやすいかは一目瞭然です。【44】学校説明会管理職や代表、採用担当者が大学や専門学校などの教育機関を訪れ、学生や卒業予定者に対しての情報や採用に関する講演やプレゼンテーションを行うイベントです。法人のビジョンや事業内容、採用方針や求める人材条件、採用プロセスについて説明し、学生に対して事業所の魅力や働く環境について理解を深める機会を提供します。学生との交流を通じて、将来の就職活動に備える学生や新卒者に対して魅力や求める人材像を伝えることをだけでなく、採用側も学生の興味や能力を把握し、将来の採用活動やインターンシップなどの機会を提供することができます。【45】職場見学事業所が主催するイベントであり、求職者が実際に職場を訪れ、業務風景や社内の雰囲気を体験する機会を提供するものです。採用活動の一環として行われ、看護師が企業の文化や働く環境についてより具体的な理解を深めることが目的です。職場見学は看護師にとって、よりリアルな体験を提供し、事業所の雰囲気や価値観、相性を確認する機会となっています。また、看護師がより具体的な情報を得ることで、安心して入職できるイメージを持ってもらうことで応募意欲を高めることに繋がります。【46】交流会交流会は、参加者が自由に情報を交換し、新たな人脈を築くためのイベントです。これは、ビジネス、アカデミア、趣味のクラブ、非営利団体など、さまざまな分野で開催されます。交流会の形式はさまざまで、カジュアルな飲み会から、形式ばったパネルディスカッションやプレゼンテーションまであります。一般的には、参加者が自由に他の参加者と対話し、情報を交換したり、意見を共有したりできる時間が設けられます。交流会の主な目的は、参加者が新たな人脈を築き、互いに情報を交換することで、新たな視点を得たり、協力関係を築いたり、新たなチャンスを見つけたりすることです。ビジネスの文脈では、新たな取引先やパートナーを見つける機会を提供する場合があります。採用活動においては、交流会は求職者と事業所との間で非公式なコミュニケーションを促し、求職者が事業所の文化を理解する機会を提供します。一方、事業所も求職者をより深く理解し、適切な人材を見つける機会が得られます。【47】合同説明会合同採用説明会は、複数の事業所が協力して開催する採用イベントで、参加者は一度に各事業所の情報を収集することができます。各事業所は、自社の採用方針、求める人材条件、仕事内容、福利厚生、キャリアパスなどをプレゼンテーションや資料配布によって説明します。一部の合同採用説明会では、パネルディスカッションやセミナーを実施し、個別の面接や選考プロセスを進行する場合もあります。求職者は、異なる法人の採用情報を比較し、自身のキャリア目標や適性に合った事業所を見つけることができます。この場で、自社の魅力をしっかりと伝えることができれば、求職者の応募意欲を高めることができます。【48】採用説明会採用説明会は、求職者に対して事業所の情報や採用に関する説明を行うイベントです。通常、採用説明会はプレゼンテーション形式で行われ、企業の代表者や事業所の管理者が参加者に対して企業のビジョン、事業内容、採用方針、求める人材像、福利厚生、キャリアパス、職場環境などを説明します。また、参加者から質問をする機会も提供することで、看護師は自身の疑問や関心事を直接聞くことが可能となります。さらに、個別の面談やグループディスカッションを通じて、全体で聞きにくかったことやより具体的な疑問に答えたりすることで、不安の解消や応募意欲を高めることができます。■権威性を高める業界内で権威性を高めることで、この人と働きたい、この人の居る事業所で働きたいと思ってもらえる可能性が高まります。では、どのように権威性を高めることができるのか、4つの施策をご紹介します。【49】外部メディアへの寄稿外部のメディアに記事を寄稿することも、権威性を高める助けになります。これまでの事業所運営を通じて獲得した知見を言語化し、メディアを通じて発信することで、権威性を高めて、信頼の醸成=この人と働いてみたいという応募意欲の醸成が可能です。特に業界特化型であれば、自身の経験が直接的に参考になる可能性が高く、業界内での認知も広げることができます。例えばその記事を見た際に、興味をもってくれた人が応募に至るというケースもあります。書籍出版よりも比較的簡単に行える施策なので、時間があれば積極的な発信をおすすめします。【50】書籍出版これは主に病院の看護部長などが、書籍を出版することで、事業所の認知を広げる手法です。書籍出版を通してこれまでの経験や持っている知識を発信することで、特定領域の専門家というポジションをアピールできます。SNSなどのWebだけでの情報発信に比べて、書籍からの発信は高い信頼性を獲得できます。実際に書籍を手に取り、著者に興味をもち、事業所選びの一つとする看護師もいます。【51】ウェブセミナー(ウェビナー) ウェブセミナー、またはウェビナーは、インターネットを利用したセミナーや講演会です。コロナ禍以降急激に増えたセミナー形式であり、特定のトピックについてのプレゼンテーション、教育、ワークショップなど、対面形式のセミナーで行われるような内容をオンライン上で行うものです。業界関係者や看護師が興味を持ちそうなテーマで、積極的にウェブセミナーを開催していくことで、業界関係者や看護師のなかでセミナー講師という立場を確立することが可能になります。発信回数が増えるにつれ、この人と働きたいと思ってもらえる可能性も増すため、もし余裕があれば取り入れたい施策です。【52】メルマガメルマガ(メールマガジン)は、定期的に配信されるニュースレターや情報誌で、求職者へのコミュニケーションと情報提供の手段として採用活動で利用できます。これにより、採用ブランドの強化や応募者の獲得が可能です。メルマガを通じて、最新の求人情報、会社のニュース、魅力、文化、イベント情報などを定期的に求職者に伝えることができます。新しい求人や企業の成長や変化に関する情報を提供することで、求職者の関心を引きつけるだけでなく、事業所理解を深めてもらう機会を作ることができます。③応募率の最大化認知拡大、応募意欲醸成以外にも採用施策はあります。それは応募率改善です。応募率改善は事業所や求人に魅力を感じてくれた人に、応募してもらう確率をあげる施策になります。【53】応募ボタン・フォームの配置見直し応募率を高めるためには、応募ボタン・フォームが見つけやすく・分かりやすい位置にあることが重要です。求職者が応募を考え、すぐに応募ボタン・フォームが見つからないと、逆にウェブサイトを離れてしまう率が多くなります。最も見つけやすい位置として、採用ページの最上部に設定することが有効です。また、「応募する」ボタンを常時表示されるメニューバーに入れたり、画面の右側に「応募はこちらから」のタブを表示することも考慮に入れてみましょう。すぐに実施でき、改善効果も見込めるため、ウェブサイトの閲覧数は多いのに応募が少ない場合は、この施策の検討をおすすめします。【54】応募までの導線の見直しWEBサイトを閲覧してくれる人は、すぐに応募する人と比較検討の段階にいる人に分かれます。後者の層の応募率を高めるために、応募までの導線を見直すという対策が考えられます。すぐに取り組めるものとしては、比較検討の段階にいる人向けに、情報を簡単に収集できる状態を整えるというものです。例えば、既にご紹介した応募意欲醸成に関連するコンテンツを作成して、すぐにダウンロード・閲覧可能な状態にしたり、既存の事業所紹介パンフレットをスキャン・PDF化したものをワンクリックでダウンロードできるようにする等が挙げられます。こうすることで、比較検討のなかで自社を深く理解してもらう機会を作ることができ、応募率のアップが期待できます。それ以外にも、説明会を動画を公開して、それを視聴してから応募するような流れに変えてみるなど、応募までの流れのパターンは数多く設計することができます。閲覧者の興味・目的を理解しながら、既存のコンテンツと組み合わせて適切な応募までの導線を考案しましょう。【55】EFO(入力フォーム最適化)EFOとは(Entry Form Optimization)の略称で、簡単に言うと入力フォームを最適化して、応募しようとして情報を入力している最中に離脱する率を下げる施策になります。具体的には、エントリーフォームをシンプルなものにしたり、エラーが発生しないようにするといった最適化施策になります。エントリーフォームで何度もエラーが発生したり、説明が分かりにくい、もしくは質問数が多いものだと、応募者にとってかなりのストレスになり途中で入力をやめてしまうケースがあります。せっかく応募意欲のある方が、そこで止まってしまってはもったいないので、最適化を行い途中離脱を減らすようにしましょう。【56】LINE公式アカウント開設、連携による導線拡充LINEは、日本人のスマホ・ケータイ所有者のうち、利用率83.7%を超えるSNSです。そのため、LINEから応募できるようにするのも一つの手です。例えば、公式アカウントを開設し、簡単に登録してもらえるようにすることで、会社の魅力、募集要項、応募方法などを短いメッセージやスタンプを使って分かりやすく伝えることができるため、応募率のアップが期待できます。また、LINEの機能を活用し、面接の予約や連絡などのリアルタイムなコミュニケーション、採用イベントやウェビナーの告知も可能なので、業務効率化にも役立ちます。応用的な使い方として、応募前の入口として質問に応えるチャットボットや、入職前のフォローとしてコミュニケーションを図るため導入している事業所もあります。公式アカウント自体は無料で開設できるため、一度検討してみると良いかもしれません。④施策立案に行き詰まったら施策の立案は非常に労力を要し、時間をかけても途中で行き詰まってしまい、停滞してしまうこともあります。そうした行き詰まりの状況を打破するためのアイデアをご紹介します。【57】従業員に入社までの経緯や活用媒体をヒアリングする実際に入職した従業員に対して、入社までの経緯や媒体をヒアリングすることは非常に重要です。入職して活躍している人がいれば、採用ターゲット・ペルソナ設計に大いに役立ちます。例えば、現在入った従業員が採用ページの従業員インタビューに惹かれて入職したのであれば、従業員の働き方などをSNSで発信する施策に繋げることができます。【58】採用支援サービスを活用する多種多様な採用施策がありますが、現状を考慮して適切な施策を講じつつ、効果検証を行うことは簡単ではありません。特に経営者や管理者が採用活動を行う場合、他の業務も数多くあるので一人ですべて対応することは難しいでしょう。そのため、採用活動の一部を外部に任せるというのも一つの選択肢です。採用のプロがいちから戦略、実行、改善を行ってくれるため、他の仕事に集中しながら効果を出すことができます。【59】他社の経営者、管理者、採用担当者に相談する同業他社であれば、同様の問題に直面した経験があるでしょう。すでにその問題を乗り越えた他の会社の経営者、管理者、採用担当者との繋がりがある場合、どのような対策を行ったか率直に聞いてみるのも良いでしょう。特に同じ地域で同じ規模の事業所であれば状況が似ているため、とても参考になります。【60】業界No.1の会社もしくは同地域のNo.1事業所を分析する業界No.1や地域No.1の会社を分析することは、参考になる要素がたくさんあります。求人広告の文面やどのような媒体を利用しているのか、そういった情報の分析を通じて、自社の採用戦略に取り入れるべき戦略や施策が見えてくるかもしれません。また、自社との違いを分析することで、自社の強みや弱みを明確にすることも可能になります。さらに、その会社がSNSなどで情報発信を行っていれば、その投稿内容を積極的にチェックすることも有益です。【61】ターゲットが同じ、異業種の会社を採用活動を分析するターゲットが同じ看護師の、異業種の会社の採用活動を分析することは、新たな発見を生むかもしれません。例えば、近年では企業が直接看護師を募集することも増えています。営業活動や商品説明、オンコール代行といった、従来とは違う形で看護師の活躍の場が広がっているためです。そのような同じターゲット×異業種の会社の採用活動を参考にすると、看護師の採用に新たな視点をもたらすことが可能です。〇まとめ今回は看護師採用施策を61個ご紹介いたしました。採用施策は採用予算や目標人数、周辺エリアの状況により、適切な選択が必要となります。そのため、過去上手くいった施策がどこでも上手くいくとは限りません。状況に応じて各施策を効率的に実行することで、採用を強化することができます。今回の採用施策が皆様の採用活動の参考になれば嬉しいです。